2017年10月11日 渡良瀬遊水地ポタリング

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渡良瀬遊水地(三県境)〜帰路・太田



さてここからどう降りて三県境に行こうかと思って周囲を見ていると、
道の駅きたかわべと同じ地内にある、北川辺スポーツ遊学館の壁に「三県境」の案内が。


案内に従って階段をおりていくと、道に沿ってさらに案内が続いていく。


三県境到着。
事前に確認していた現地写真では完全に個人の畑の中にあって不用意に入るのはためらわれそうだったが
現状ではここまでの案内や畑の端を順路へと転用しているなどの好意ある対応がなされていることで
スムーズに到達することができた。
各種説明のほか、カメラ台や椅子などもあり、それぞれの手作り感もまた味がある。


二県境界は平地でも見られるが、それにしても意図して見ないと目につかない。
ここは珍しさだけでなく、近年の調査によって改めて指定されていることもあり
こうして境界の標もわかりやすく目立っている。
ともあれ、これで今回の目的の一つが達せられた。
この時点で15時直前。予定より1時間以上の遅れになってきた。

友人からは補給を随時しておくようにとメールが入ったが、
補給はコンビニでと甘いことを考えていたために補給できない自体が続く。
さきほどはイモフライが食べられなかったことも厳しい。
いざとなったらバリ島土産に手を付ける覚悟。

次の目的地である「田中正造翁之霊」廟に向かう。
三県境を南下してすぐにトイレ・駐車場のある公園があるが、
公園部分はそのままに三県境来訪者のための駐車場として転用されていた。
道の駅も近いが、国道354号や柳生側から入ってくるには都合がいい場所だ。

さらに南下、354号に入ってすこし東へ行くとすぐに行き当たった。
小さな小屋と手前に消火栓の標識というのは、知っている人には非常にわかりやすいが
知らない人ならまず間違いなく通り過ぎてしまうだろう。

戸は開いていて中で参拝することができた。
見所というところではないが、正造翁のことを追うなら気になる場所だ。
他にも6か所の分骨墓所や田中霊祠などもあり、死後残る人徳の厚さが伺える。

また柏戸から戻ろうかとも思ったが、あの陸橋をもう一度こえたくはないので
柳生駅の裏手を通って道の駅に戻った。
そこから信号を渡ってサイクリングロード、中央エントランスへ。

中央エントランスから渡良瀬遊水地・谷中湖へと入る。


ゲートは封鎖されており、自動車やバイクはダメだが自転車はオッケー。
地元らしき人たちも自転車で入っていった。


池の向こうに見える高層一棟。
埼玉大橋からこの方、東方で存在感を示し続けていた建物の正体は
古河駅前のライオンズマンション古河スカイタワーだった。


エントランス方面から中ノ島を見る。

中ノ島には少し変わったトイレも2基あったので小休止。手洗い場がないのが惜しい。
真ん中には観鳥台もあり、時間さえあれば鳥や湖面をゆっくり眺めるのに良いだろう。


今日は風があって波が出ており、この広大さや波が岸を打ち付ける様子を見ていると
海なし県民にとってはこれだけで海を見ているような気分になった。
まあ、対岸がしっかり見えているのだけれど、そこは湾のようなものだとして気分をごまかす。
奥にうっすらと見えているアーチは向古河と古河を結ぶ国道354号にかかる新三国橋

この時点ではまだ藤岡町部屋の郵便局にまで行くつもりで、
中ノ島を直進して谷中湖を突き抜けるように進んだ。
左方向に向かえば谷中遺跡へ通じている。

後方下部からハッキリした走行音、振り返るとハイスピードのリカンベント・トライクが抜き去っていった。
搭乗者はほぼ横になっている体勢だが、めちゃくちゃ早い。

谷中湖を渡り切り、内堀的な小渡良瀬川沿いに北へ向かう。
外堀的な渡良瀬川を越える橋があったら渡ろうと思っていたが、それが見当たらない。

しばらく進むと分岐。

左手に内堀渡良瀬川にかかる古い橋があり、とても気になった。
詳しくはわからないが、昭和期の遊水地管理用道路の一部だと思われる。
実はここで分岐を右に向かっていたら渡良瀬川を越え、巴波川(うずまがわ)沿いに部屋へと向かう道があった。
結果としては、部屋に向かっていたらそれこそいつ帰れるかわからなくなるところだったので、見つからなくてよかった。
渡良瀬緑地の管理道路を西へ進みながら、時間も時間なので初期目的の部屋郵便局と岩舟郵便局は諦めることに決めた。
実際に走ってみれば、部屋もなかなかだが岩舟も途方もなく北にある。
改めてみると野木郵便局のほうが近そうですらある。
ともかくあとは藤岡郵便局にだけ寄って、そこからは復路のはじまり。

谷中遺跡の看板

部屋に行くことをもっと早く断念していたら最初から遺跡側を通っていたものを。
すでに時間がないので、遺跡地区を見て回るのも諦めた。
ここの南にあるウォッチングタワーも昇っておきたかった。


遊水地北エントランスから出て、藤岡郵便局を目指して遊水地沿いのサイクリングロードを北へ進む。
藤岡の中心部へ向かう県道9号・11号もあるが、進みやすく目的地からそう離れない道なのでこちらが良い。

旧谷中村合同慰霊碑

なにかあるなと思いつつ時間の都合で通り過ぎたが、遊水地外に置かれたいわば旧村のための墓場だった。

郵便局は思ったよりも距離があり、感覚的にはだいぶ北へあがるはめに。
ここで北上した分だけあとで南下を求められるので、時間がない現状としてはつらい。

遊水地側に残る鉄櫓。これも昭和期の遺構だろうか?
あとから知ったが、この遊水地の緑地帯はもともとは赤麻沼という大きな湿地帯で、
今の谷中湖とは別種の湖沼となっていた。
例の谷中をめぐる云々の工事によって、谷中や渡良瀬川とともに造り替えられてしまったのだ。


元コンビニと思われる店舗。またもコンビニに寄れない。
ここは何年か前までは車検屋だったらしく、入口にある「激安IN」の看板はその時からのままのようだ。


先ほどの店の脇を通り、藤岡小学校の脇の道で犬散歩のおじさんに郵便局がどこいらにあるか道を訊ねた。
朗らかでわかりやすい案内をしてくれ、実際に言われた通りですぐに郵便局までたどり着いた。
藤岡郵便局を出る時点で16時。初期予定では18時前後、遅くとも19時前には帰りつくつもりだったが
ここから帰るまでに3時間では済まないなと、帰り道は真っ暗になることを覚悟する。

少し北上した県道57号ルートと、大きくなんかする国道354号戻りのルートとで迷う。
とりあえずどちらでもない西への進路をとって小路をいくが、すぐに東武日光線にさえぎられて北進する羽目に。

小さな、自動車通行禁止の踏切を渡る。
この規模の踏切というと勝手踏切として放置されやすいのだが、しっかり新型の警報機と遮断機がついていて
ミニ踏切として実にかわいらしかった。遮断機についた小旗もた良い味。
ちょうど踏切が動いているところを3DSで動画撮影するも、エラーが出て保存に失敗してしまったのが残念。

やや北上して57号に当たる。
そのまま西へ進んでいると、右手に渡良瀬川サイクリングロードが出てきて参ってしまう。
狭い57号に比べて道が楽そうな道ではあるが、これに乗って桐生足利へ向かってしまえば
帰り道はさらに北上してしまうのでそれは困る。

渡良瀬川ならびに栃木県とのお別れ

引き続き57号を西へ。
山のようなものが見えるので57号をはずれて南へ。
あとで地図を見返すと、山のようなものは神社の杜で、館林へ向かう分には57号を進みっぱなしでも良かった。
とはいえ、どうやらそのルートでもコンビニはない模様。

南・西・南・西、と進んでいると、やたら目立つ電波塔のような鉄塔が聳えていた。
近くまで行くと、道向かいには看板の出ている庚申塚のようなものがあったので確認をしてみた。

ニホンギのエノキ
2012年時点のストリートビューには初代末期の痛ましい姿が残る。
少し南に動かすと、二代目の樹と鉄塔が映る2014年の画像を見られる。

板倉町北部の田んぼのなかをひた走る。あまりの広さに心が折れそうになる。
全面舗装された農道で車の通りもないので走りやすさは抜群だが、なにもなさを痛感もする。
信号もないし建物も遠く感じる。日が落ちてきた中で、時々稲刈りが見られるくらい。
南方へ向かって目の前に集落が見えてきたが、さらに遠くの西のほうに工場のようなものが見える。
より人工的・人為的な感じがして工場のほうへと進むことにした。
南に見えたのは地図上ではどうやら古い川沿いの集落のようだ。

工場のそばまでくると、公園が見えた。観音公園という。
トイレもあって休憩にはちょうどよい場所だ。工場はミツカンだった。




公園の西隣には花園があり、ここではこんな時期に腰ほどのひまわりとコスモスとが同時に咲いていた。
実はここまで西に来た道・工場・公園はすでに館林市で、公園の南と花園は板倉町という境目の場所だった。

公園を過ぎるとすぐに東北自動車道が見える。
自動車道の側道を行けばよかったのだが、道がどうなっているかよくわからないので
右手に見える自動車道を目安にしてまた農道を南・西・南・西と進み続けた。
これも後から知ったが、やはり館林と板倉の境界をうろうろしていたようだ。
手持ちの地図に書かれたランドマークは幼稚園くらいしかないのだが、それも遠く見当たらない。
いっそこのあたりで体を投げ出して夜を明かしてもいいのでは、などと思ったが、
別に心地よく寝られるわけでもなければ何もない事にも変わりはない。
少しでもより人工的なものの近くに居たくなり、自動車道の側道を走ることにした。

館林IC2qの看板が見えた。

どこまでも続く田んぼに終わりが来たと感じられる。
ケータイの電池がいよいよなくなり、ここまででカメラ機能が使えなくなった。

しばらく南へ向かった後に自動車道をくぐり、そこからまたさらに南へ。
もっと手前で自動車道をくぐっていればデイリーヤマザキに行きついていたかもしれないのだが
ここでもニアミスとなってコンビニおあずけは続く。


當和という生コンの脇を通ると、茂林寺の狸をあしらったイラストと「ようこそたてばやしへ」の文字が描かれている。
実はここまですでに館林市に入り込んでいたのだがそんなことはつゆしらず、
ようやく館林までこれたのだなという安堵の気持ちになる。

少し西へ進んで行き当たった県道362号を南へいくと、信号とセブンイレブンの看板が!
セブンイレブンは信号のさらに向こうの信号の奥にあったが、そう遠さを感じない。
こうして本日3件目に見かけたコンビニで、非常に遅い補給をとれることになった。
すぐに食べる分と、道中食べる分とを買ったが、ここまでの道のりと違ってここからはずっと街中の国道なので
補給は随時行える状態だったので余計だった。
コンビニのガラスに「園児募集中」という張り紙がしてあったので、コンビニなのにバイトじゃなくて
子供を募集かよ!と思ったが、どうやら保育園の張り紙だった模様。
この当たりで17時を過ぎており、すでに周囲は暗くなり出している。

走り出して少ししたあたりだと思うが、太田まで21kmの青看板の文字がつらい。
館林から案外と距離があるが、間に町が2つも挟まっている。
つつじが岡公園が近いので、たき焼き ち、つてとという店が近くにあるな?と思ったが探しにいかなくてよかった。
それは多々良沼のほうにあるので、見当違いで見つかるはずがなかったからだ。

さああとは354号をほぼ西へ進むばかりだ、あと5qもすればセガワールドがあるはずなので
そこでアイカツ欲を満たしていこうじゃないかと企てる。
今回は諦めたルートだが、館林のセガワールド経由は岩舟周りの場合での帰り道候補だったので
当初予定のルートに近づいたと言える。
館林の中心部まではいかにもバイパス然とした道が続くが、田んぼの中のような絶望感はない。
とはいえ疲れてはいるので、通りがかったカラオケまねき猫や快活CLUBには休息の誘惑があった。

疲れていたせいなのか、本来は目立つはずのセガワールドが目にはいらないまま通り過ぎる。
セガワールドを過ぎて200mもいかないあたりで、スパイシーコッコちゃん本店の横を過ぎた。

ん?あれ?と思って止まって引き返す。
ちょっと前から行きたい!と思っていたスパイシーコッコちゃんの、それも本店と書いてあるではないか。
こんなのは寄らわないわけにはいかない。
4種類の味に3段階のボリュームがあったが、今回はあらゆる点で余裕がなかったので
基本のコッコちゃん(スパイシー味)5個入り300円で済ませてしまった。
帰ってから他の味も買っておけばよかったと後悔することになる。
まあ、館林よりは近い距離に別店舗があるのでいずれそちらで。

コッコちゃんを出ると市街地も終わり、またもバイパス然とした道が続く。谷田川を超え、左手にはセーブオン。
群馬だというのにセーブオンを見たのもようやくとなる。
いつもなら喜んで寄るところだが、まだ休憩には早いし、セーブオンならこの後も見るだろうと通り過ぎる。
やはり左手に、闇夜に浮かぶ給水塔が目立つ。第三浄水場だそうで。
具体的な位置情報はつかめておらず、左側通行なのとすでに通り過ぎたセガワールドを探してとで
とくに左手にあるものに目が向いているようだ。

いつのまにか邑楽町。
狸塚(むじなづか)のファミマで休憩。
店員が容姿と喋り方、そして地域柄から南米の人かと思ったが名札は日本名だった。
トイレにバリ店土産を忘れそうになってあやうかった。
セガワールドに寄っていた場合、ここから行田方向に向かうつもりでいたが、結果的にはそうならずによかった。
行田に向かった場合、南下しすぎ&東へ戻るという形になるのでだいぶ遠回りになるところだった。

ファミマから少し進んだところで麺龍というラーメン屋の看板が大きく煌々としている。

内容も価格も非常に魅力的で、ここでもゆっくりしていきたい気持ちに狩られたが、
ここは進み続けることにした。よくよく考えるとすでに夕飯時なのだが。

大泉市街地と太田市街地への分岐で太田を選択。
単純な帰り道としては大泉を抜けるほうが近いのだが、このまま354号を太田へ進むことで
セガワールドのかわりにレジャーランドに寄りたいと思ったのだ。
陸橋で東武小泉線を跨ぎ、さらにもう1回東武小泉線を跨ぐその手前で、
東小泉駅から竜舞方面へと夜道を征く、2両編成の小さな灯りがほほえましかった。

坂田北の信号に、大き目の「太田市」の境界看板が!
この先のとりせんを超えたところで、Dステーションと太田レジャーランドの特徴的な建物、
それらの脇を通る354号の陸橋が見えた。
これで完全に勝手知ったる領域へと戻ってきたのだ。
まだ帰り着いていないし、時間もひどく遅れているが、気持ちに余裕が戻ってきた。

そんなわけでレジャランでアイカツを嗜む。
キャンペーン中のプロモも貰えたのでなお良し。
一旦椅子に座ることで却って動けなくなるかもとも思ったがそんなことはなく
短時間ではあったが残る帰り道の英気を養うことができた。
19時45分に出発。

帰りは刀水橋コース。

5年前に強盗未遂のあったローソンがゆで太郎に変わっていた。
年末年始に通った時には気にしていなかったが、すでに3年前には閉店していたようだ。
個人的な休憩ポイントである長柄神社は、夜の視界と角度の問題で気付かず。
入り組んだ信号でわけのわからない刀水橋を渡り、20時40分に帰り着いた。


具体的な距離は計測していないが、100km弱、10時間10分の行程となった。
寄り道などがあったにしても、走行中の時速が想定を大きく下回っていたのが痛い。
補給は大事。

このあいだの前橋行きの際に買って備え付けたボトルホルダーと方位計は大正解だった。
ホルダーは給水に手軽さを生み、方位計は地図の有無に限らず、進行方向の大きなずれを防いでくれた。

今回は川沿いと田んぼの中という水辺の走行が多かったこともあって、
日中のコンビニを見かけなかった以上にキリスト教看板を見つけることができずに終わった。

過ぎれば楽しかったが、加須の利根川と板倉北部はほんとうにつらかったし、
いくつかの橋も怖かったのでもう渡りたくはないと思った。
とはいえ、今回寄り逃したところや、同方向でまだ行きたいところもあるので
いずれ元気でタイミングの良い時には再挑戦したくもある。

渡良瀬・完。

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